gauloisの日記

随想その他

そこにあるから、ある

 「そこにあるから、ある」

ただのトートロジーだけど、よく考えてみると世界のあり方が見えてくるかもしれないので、何かしら力添えできれば幸いです。

 

非常に抽象的な話なので、よくわからないという人はつまらなく感じるだろうと思う。予めご容赦。

 

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急いでいる時に限って信号機に引っかかる。こういった経験は誰しもあるはずだ。これはおそらくセレクティブメモリの働きであろうが、今回は心理学的内容ではないため現象的に見ることにする。

私がここで言いたいことは、「物事がそうであるのは、それが最善であるからだ」 つまり、この世界の存在全てについて、そこにある所以が必ず存在する。あるべくして存在しているのだ。もちろんここでいう存在とは、本や林檎など以外にも形而上的な意味を多分に含む。

少し押し拡げると、人間が生まれたことも、雨が降るのも、病気が存在することも、信号機に止められることも、全てに理由がある。私はこの、世界に働く内的な力の存在を信じているし、利用していきたいとさえ思っている。

 

もしも、ただのポジティブシンキングだと思った人がいたらそれはとんだ思い違いだ。先に挙げた力の存在を信じるとすれば、「死にたい時に死ね」とも言えてしまう。何故なら、人が死ぬとき、それはその人が死ぬのに最善な状況であるからだ。もし何らかの瑕疵により死ぬことができなかったならば、まだ死ぬべきときではないだけのことである。

 

また、人の行動が全て神によって決められていると言っているわけでもない。ハイデガーが下方に開かれた弧と矢印で表したように、われわれは可能性への自由に開かれている。最善な状況とは、一人一人異なるし刻一刻と形を変えるものだ。野心や努力によって、如何様にも形を変えることができる。ただ、それにつきまとう結果はその時々によって最善なものが表面にあらわれてくるだけのことである。